飛騨高山・下呂温泉
外国人に特に人気のある観光地の「飛騨高山」と、日本三名泉の一つの「下呂温泉」を訪れました。ともに岐阜県にあり、さほど離れていない場所にある観光名所です。
古い町並
城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並を合わせて「古い町並」と呼ばれ、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
出格子の連なる軒下、足元には用水が走っており、今に残る日本の昔の町並は若者や外国人にとっては特に新鮮で、人気の観光スポットとなっています。その建物の多くは郷土料理のお店、造り酒屋、伝統的工芸品、民芸品、駄菓子などを販売する店となっており、建物を見物するだけでなく、様々な買い物ができることが人気の要因のようです。
造り酒屋の軒先には、「酒ばやし」と呼ばれる杉の葉を玉にしたものが飾られています。緑色の杉玉を吊るすことで、新酒が出来たことを知らせる役割があります。
酒ばやしの作り方(朝日酒造) 詳細を見る
高山陣屋
陣屋とは、江戸時代に郡代・代官が政治を行った場所で、役所や役宅、米蔵などの総称です。幕末には全国60数ヶ所あったといわれる陣屋で、当時の建物が残っている唯一の場所です。
玄関の床の間に描かれている海の波を模した青海波(せいがいは)は、江戸時代に流行した文様です。無限に広がる波の模様には、未来永劫続く繁栄と平和への願いが込められているそうです。
秋には紅葉の美しい庭が見られます。
「御白洲」は取り調べを行ったり、判決を言い渡した場所です。一方で人々の訴えや願いごとを受け付ける、役所の窓口のような場所でもありました。陣屋内に2ヶ所あります。
江戸時代は自白が重視されていて自白しないと厳しい拷問もあったようです。ただしこの御白洲に置かれた拷問道具は、人々を威圧するためのもので、実際の拷問は牢屋で行われていたと考えられています。
周辺の村々から納められた年貢米を収納する米蔵です。幕府直轄領となった直後に高山城三之丸より移築されました。現存する江戸時代の米蔵として全国でも最古・最大級です。
陣屋前朝市
高山陣屋の前で、毎日午前中に開催されている朝市で、手作りの餅や味噌、漬物、農産物などを販売しています。特に「陣屋もち」は、自家栽培のもち米を使って作られ、きび餅・とち餅・豆餅、よもぎ餅などさまざまな種類があります。お店によって、違った味を楽しめます。
営業時間:6:00~12:00(1~3月は7:00から)
宮川朝市
陣屋前朝市と並んで、飛騨高山で人気のある朝市です。
江戸時代から、米市、桑市、花市などの市として発達し、明治中頃から野菜が並ぶようになり、朝市とよばれるようになりました。
新鮮な野菜や果物、旬の食材や四季折々の花々、工芸品や民芸品などの買い物ができます。
朝市の通りには高山祭の祭り屋台が、宮川朝市で開店しているお土産物店には甲冑が、展示してありました。
飛騨高山の民芸品といえば「さるぼぼ」で、飛騨の言葉で「猿の赤ん坊」という意味があります。赤い顔が猿の赤ちゃんに似ていることからそう呼ばれています。子どもの成長や健康を願う意味が込められているとされています。赤色のさるぼぼが主流でしたが、近年はさまざまなカラーのさるぼぼが並んでいます。
飛騨高山の伝統工芸「一位細工」で作られたさるぼぼもあり、宮川朝市でも出店販売しています。一位細工とは、岐阜県の県木に指定されているイチイの木から作られた細工物を指します。
飛騨高山の郷土料理
飛騨牛の朴葉味噌、飛騨牛の焼きしゃぶ (飛騨高山 京や)
郷土料理:朴葉味噌(農林水産省) 詳細を見る
下呂温泉
下呂温泉は飛騨高山の中心地である高山駅から、自家用車で約1時間、公共交通機関で約1時間半の距離にあります。
下呂温泉は、室町時代より草津温泉や有馬温泉と並んで、「日本三名泉」と呼ばれ、1000年の歴史をもつ名湯です。
泉質はアルカリ性単純温泉で、pH値が9.18と高く、肌の古い角質を取ってお肌をツルツルにする効果が期待されるため、「美人の湯」とも呼ばれてます。
飛騨川の河川敷には無料で利用できる開放的な河原の露天風呂の噴泉池があります。ただし2021年からは足湯専用となりました。